富山・高志の国文学館

高志の国、こしのくに。7世紀頃まで、北陸地方は高志国と表記され、それが越国(こしのくに)に引き継がれ、越前、越中、越後と分かれていったとか。

さて、越前富山にやってきました。この文学館の壁材は、富山の基幹産業であるアルミ鋳物パネルでできており、シャンパンゴールドに着色されアルマイト処理された壁材が、外壁から内壁まで使われています。不思議なテクスチャーですね。この日は曇りでしたが、光の当たり方で見え方が色々変化するのかもしれません。

この建物は富山市中心部に位置し、目の前に松川という小川が流れています。その昔、富山市の中心部を流れる神通川は富山駅を囲うように蛇行して流れており、河川の氾濫被害が起きたようでした。それをまっすぐにする工事を行い、名残として松川が残り、現在は川沿いに遊歩道が整備されています。

本州の反対側の静岡から来てみると、川が思いっきり北に流れているので、はじめはよく分かりませんでした。グーグルマップで見ると表現が逆。こちらでは山(南)を上に書くんですね。

富山にゆかりのある文学者の方々の展示がされています。宮本輝もありました。初期の代表作の蛍川は、一家で大阪から富山に引っ越してきた一時期を描いた作品でしたね。泥の河、蛍川、道頓堀川で川三部作と呼ばれました。10代から20代にかけてよく読んだことを覚えています。生原稿も少しあり、万年筆で書かれた文字を見ることができました。宮本氏は「か」に特徴があるようです。

建物は、隣に元々あった旧知事公館を改修してつなげ、研修室等で一体的に使えるようにもなっています。