カトリック多治見教会の裏側に、土岐川がぐるっと湾曲している地があり、そのほとりの虎渓山に永保寺があります。
鎌倉時代の1313年に開創された、臨済宗南禅寺派の禅寺です。
土岐と聞くと、美濃国にいるんだなと感じますね。斎藤道三より前に美濃を統治していた土岐氏を思い起こします。
さてこの時期(11月11日)は、紅葉もうっすらと始まり、広い境内には美しい景観を求め多くの人が参詣していました。
広い境内には多くの建物があります。中央に池泉回遊式の国指定名勝庭園があり、その畔に国宝観音堂があります。
1314年夢窓国師が虎渓に来られた翌年に建立されたとされ、禅宗伽藍の中では一番大切な仏殿です。屋根先端の反りに大きな特徴があるのが見て取れると思います。
別名で水月場とも呼ばれていました。確かにここから正面の池に映る月の姿を眺めたら、さぞ美しいことでしょう。
池を西に回りながら散策していくと、国宝の開山堂が見えてきました。
1352年頃に足利尊氏が建立したといわれ、純正唐様ともいうべく、室町時代初期の代表的な建築です。
中には入ることができませんでしたが、裏側の祠堂には、開祖夢窓国師開山仏徳禅師の坐像が安置されているとのことでした。
この美しい寺も、長い歴史の中で色々な困難がありました。南北朝の動乱に巻き込まれ、荒れていた寺を見かねた足利家が保護し、次の時代の人々が努力を重ね、現在に至っています。