カトリック多治見教会

中山道に近い多治見の地では、出荷しやすいように軽い盃を中心に磁器生産が行われていたと解説を聞きながら、カトリック多治見教会にやってまいりました。1930年にドイツ人のモール神父により、日本の修道士養成を目的に建てられた修道院です。木造で老朽化もしてきましたが、多治見市観光協会を中心に保存活動が始まっています。

木造の聖堂は天井の高い開放的な空間でしたが、ちょうどお祈りをしている方もあり、撮影は控えました。木造軸組でよくスパンをとばしているなあと感心しました。

敷地内には広大なぶどう畑があり、ここでワイン用のぶどうを栽培し地下室で醸造しています。いろいろな式典で用いられるとともに、来訪者が求めることもできます。

この建物は、カトリック神言修道会の多治見修道院というのが正式な名称で、神言会が設立した南山学園とも深い関係にあります。キリスト教的価値観の中で学び、文化を創っていくという考えが中京地域の中で連綿とつながっているのだなあと実感しました。

カトリックといえば、ルルドをご存知でしょうか。聖母マリアが洞窟の中で祈る姿を祀ったものです。本来は泉のそばに設けることがベストですが、静岡でも多治見でもカトリックに関係する施設では見ることができました。

また施設の裏側にはログハウスが数棟。修道士や一般の方が集い、研修にも使われているようでした。

日本では男子修道院は数少ないと聞きます。大切にされてきた信仰の場が保存され、活用されていくことを期待します。