INAXライブミュージアム

全国大会初日のウェルカムパーティーは、INAXライブミュージアムにて。夕暮れが近づき、トンネル窯の煙突がそびえる広場で、少しずつ準備が始まっていました。

木造の工場の中には、焼きもの窯が収容されています。明治時代になり、常滑の人々は陶器でできた土管を一生懸命生産して全国に出荷していました。

地下の水道管や排水管として、1m程度の管を土から焼いて作り、つなぎにつないで社会の重要なインフラとしたのでした。今現在は樹脂製のものにとって変わられていますが、伊奈製陶や多くの地場工場が一家総出、いや地域総出で生産にあたっていたのでした。

私の方は、どろんこ館のほうで行われていた環境会議のお手伝いをしたり、装飾タイルや特注品の作り方、粘土、珪石、長石の配合や性質、窯場の説明(現在は電気やガスが主流)を聞かせていただいたりと、大変勉強になりました。

ところで皆さん、昔の帝国ホテルはご存知ですか?現在犬山の明治村に一部が移設されていますが、あの膨大なタイルは常滑でつくられたものなんですよ!フランク・ロイド・ライトの目もくらむような細かい造形。当時日本で主流だった赤レンガとは違う黄色いタイル。その色をどう出すか、焼成温度や酸素量の工夫も興味深いものがありました。

そういえば皆さん、陶器と磁器の違いって分かりますか?どちらも粘土、珪石(ガラスの材料)、長石(珪石を熔かす材料)でできていることは一緒です。が、配合が違います。

指先の爪で器を弾くと、磁器はチンチンと響く音がしますね。これは珪石が一番多いから。反対に音が響かない陶器は粘土が一番多く含まれています。

今も目指す作品によって、作り手たちが試行錯誤しながら新しい表現を追求しているのですね。