京都2

京大吉田キャンパスを出て、京大病院を右手に眺めながら南へ歩きます。改めて京都は高い建物がないですね。京都市の財政は火の車と言われていますが、大都市でありながら高層ビルがないため固定資産税を多く取れないという事情があるようです。学生も多いですしね。町並みを眺めたい観光地という特性からすると、地下鉄もどうなんでしょう。生活の足としてはいいかもしれませんが、来る時に京都駅からのバスの激混み具合を見ていると、元を取るのは難しいのかもしれません。

麗らかな陽気を浴びながら、岡崎公園に到着し平安神宮へ。この建物、京都だから何百年も昔に建てられたと思うかもしれませんが、実は創建は1895年。日清戦争が終わり、下関条約が結ばれた年です。ちなみに先程見た京都大学は、日清戦争の賠償金で作られました。第三高等学校を帝国大学に昇格する形で1897年に理工科から始まり、法科、医科と続きました。

さて話を戻して平安神宮。なんでわざわざ作ったかと言いますと、平安京遷都1100周年記念事業として創られました。え?1100周年!?

持ち出す理由が古すぎませんか…?と思う声もあるでしょう。いいんです。許します。何しろ当時の京都の衰退ぶりは目を覆うものがありましたから。幕末の戦乱で市街地は荒廃。明治維新の遷都で天皇陛下も東京へ移り、四民平等で武家階級は消滅。何百年も京都の消費を支えた大名達の武家屋敷もなくなっており、立ち直れずにいました。

新しい京都を模索し、千年の都を継承する心のシンボルとして、平安神宮の存在が多くの市民を勇気づけたようです。