安曇野ちひろ美術館

お盆前の8月8日に、長野の安曇野ちひろ美術館に家族と行ってきました。11年ぶりの再訪でした。安曇野ICからの田園風景、公園内の建物に至るアプローチ、北アルプスを背景にした三角の大屋根は何一つ変わらず、ああ帰ってきたなと感じるものがありました。

建物は内藤廣氏の設計で、コンクリートの躯体の上に木造の屋根がゆったりとかかり、中庭を中心に置いたゆとりのある動線計画となっています。岩崎ちひろの作品世界に浸りながらも、外に目を向ければ松川村の自然豊かな風景が目を癒やしてくれます。

戦争中に夫を失った岩崎ちひろは、空襲で東京から疎開したこの地において、今後の人生を模索し、作家となることを決意したといいます。おそらく当時は周囲に本当に何もない環境だったのでしょう。だからこそ自分の世界に向き合うことを志したのかもしれません。私自身、11年前に来た時は、一番上の男の子が生まれて8ヶ月の頃でした。まだベビーカーも気恥ずかしかった頃でしたが、この美術館の、こどもの世界でありながら大人がしっかりと細部までデザインをしている姿、子供と一緒に過ごしやすいよう配慮された空間に感銘を受けました。

今回は真ん中の娘が興味を抱き、自分から行ってみたいと言うので連れてきましたが、私が好きな世界に共感してくれたようでちょっと嬉しかったです。下の子も芝生の上を元気に走り回っていました。うちの子も兄妹といってもそれぞれ個性があるようで、兄の方は絵を描くのは得意だけど造形は苦手。妹は絵より造形の方が好きで、暇さえあれば兄が絵を描く横で何かを製作中です。この日は地元の松川中学の生徒さんの読み聞かせや缶バッジ作りにも参加し、良い時間を過ごすことができました。ありがとうございました。