2月18日、静岡県教育会館で「紙コップタワーでまちをつくろう!」のワークショップを開催しました。定員40名はおかげさまで満員御礼、若干オーバー。西部地域や東部地域からも申し込み参加をいただきました。認知の輪が広がり、遠方からでも活動に賛同して来て下さることに感謝しております。
会場となる4階は、ほぼ貸し切り状態でラウンジもあり、自由に寛げるのが魅力です。
屋上庭園もあるので気分転換もできますしね。早めに会場入りして準備を進め、いざ開催!
静岡こども建築塾では、いきなりワークショップで手を動かすのではなく、その前にかならず建築レクチャーを行います。今日の学びの目的、背景をきちんと伝えることで子どもたちが安心して主体的に取り組めるよう配慮しています。
今回はまちをつくるということなので、建築とともに世界のまちを紹介。こんな仕組みや目的でまちは出来ているんだよと理解を深めていきます。みんなかなり興味を持ってくれたようで、自分の気づきがイメージにつながっていったようでした。
ところで今回は静岡雙葉高校の3年生の生徒がスタッフとして参加してくれました。
彼女たちは4月から大学に進学し建築を専攻するとのことで、学校の先生から事務局にお話があり一緒に取り組むことに。建築に興味を持ったきっかけを聞いたり、こんな本あるよと教えたり、建築の道の話をしたりしましたが、もう本当にいい子達です。ワークショップの当日準備もよくやってくれて事務局としては大助かりでした。子ども達とも笑顔で触れ合う姿に、将来が楽しみになりました。自然体が一番だね。
準備ができたらワークショップスタートです!
会場の思い思いの場所に陣取って、建築と街区をつくっていきます。今回、念のため基準となる大通りや中心広場を予め設定してみました。それに面したところはまちの中でどのような位置づけになるのか、またそれ以外のところはどのような構成で通り抜けられるようにしたらいいのかを考えるきっかけに。
中には、「オレは郊外で広くつくる~」なんて声も。そうだよね、街中の地価をこどもは現実的に分かっています(笑)それもいい判断だ!
コツとしては足元を広げることがポイントです。紙コップは上に積むので途中で広くすることはできません。今回はまちですからね。なるべくゆったりと、広い視野でやるんだよと声をかけていきます。リズムができてくれば、それぞれどんどん出来ていきます。インタビューもしちゃいます。
「むむむ~。どうなってんだ~」と、時にはじっと眺めて検討します。特に通りに面しているからね、オイラは何をやるべきか。考えよう、考えようぜ!
静岡こども建築塾にはルールがあります。ものを大事にすることと、人の作品を大事にすること。
周りがお互いに大事にし合えば、当然自分の作品も大事にされる。まちづくりでも、私達人が生きる中でも大切なことですが、みんな自然に仲良くやるんですよね。その約束があるからこそ、賑やかな中でも落ち着いてクリエイティブなことに向き合えているんですね。大人だよ、みんな(笑)
そしてえらいな~と思うのは、「みんな~ここが崩れてピンチだ!手の空いてる人は助けてくれ~!」と声をかけると、すぐに集まって来てやってくれること。まちづくりではお互い様だっていうことを素直に納得してくれる。初めてのお友達とも言葉をかけ合いながら、アイコンタクトをしながら仕上げていくことができました。
制限時間も間近になると、こどもも大人もドッキドキです。できた~!さわるな~!うしろ~!ぎゃ~!(笑)そういった中でも丁寧におつくりなさいますお嬢様。素敵でございます。
さてまちといえば、昼の顔もあれば夜もある。
ということで、今回は外灯のイメージで灯りも置いてみました。会場の都合で真っ暗にはならなかったのですが、それでも道路や通り道に面して、または広場や庭にどのように配置することがいいのか考えてもらいます。
灯りひとつで、外部空間に緊張感を与え支配することができる。それが空間をつくるということ。
静岡こども建築塾のワークショップでは、空間イメージ、設計、つくるを連続的に行って体感してもらうことを前提にしていますが、灯りというちょっと違う角度からのアクションを入れてみると、自分の取り組みを客観的に評価するきっかけにもなります。
ハタと止まり作品を見つめる目がいくつもありました。
みんなで完成写真。こども達とこういう取り組みができることに感謝です。お父さん、お母さん達はみなさん笑顔が素敵で、本当に良い方たちです。次回は皆さんも写ってくださいね(笑)。
始まりがあれば終りがある。残念ですが撤去しなければなりません。
ですがせっかくなのでここは頭を使って丁寧に、崩壊実験といきましょう。こいつを抜いたらヤバイんじゃないかという、「このワンピース」をそれぞれ選び、せ~の!で抜くと・・・・。
ザザザザザザ~。ザザザ~。カラカラカラ・・・。
滑らかに小気味よい紙コップが崩れていく音。美しく積んであればあるほど力の流れが均一で、よく崩れます。でもこれを知る感覚って大事なんですよ。そういう目で建築を見ることも必要です。
そして、1万2,000個以上の紙コップをみんなで一斉に片付け大作戦。え~無理だよ~と思ったかもしれないけれど、いざ取り組めば一息です。6分間で完了し元の位置まで戻しちゃいました!立派!
今日のまとめを文字と絵で表現して取り組みを再整理。三次元の行為を二次元の行為に変換することで違う脳を使ってみよう。
そしてそれを言葉に出してみんなの前で発表です。深い気づきがあり、学びがありました。
最後に私からこどもたちへメッセージ。
自分の才能を大切にしよう。自分の才能を本当に守れるのは親でも友達でもない、自分だけだ。自分にドキドキできるよう頑張ろうぜ!!