週末に所要で岡山に行ってきました。
岡山。兵庫の西、広島の東です。新幹線で播州の山の中を抜けて行くと忽然と平野が広がり、大きな街が出現します。中四国地方の中心的位置で交通アクセスも発達しています。晴れのくにです。
写真は岡山城を後楽園にかかる月見橋から見たところ。宇喜多直家、秀家が築いた烏城とも呼ばれています。豊臣秀吉に厚遇され毛利攻めでは重要な役割を果たしていますが、あの本能寺の変の前夜、秀吉ってこんなに西の方にいたのかと驚きました。実際に陸路で行ってみるとひとしおです。
この城の石垣を見て驚いたんですが、野面積みなんですね。大きさの異なる自然石を加工せず組み合わせながら積んでいます。
なかなかの高さ、堂々たるものです。宇喜多家、池田家と改修を重ね明治の世を迎えたようですが、街の建物に囲まれた城と違い、こうして川(旭川)を背後に備えた軍事要塞もなかなか風情があっていいですね。ただこの川の曲がり、かなり急です。秀家が強引に流れを変えたため、度々洪水が起こったとか。そのため放水路をつくって城下町を守ったり、後の人は苦労したようです。
お城の天守閣から北を望むと、日本三名園のひとつ後楽園があります。江戸時代の1700年に完成、池田綱政が川の湿地につくらせた大名庭園です。三名園だからといって決して巨大ではありません。むしろのんびりとした風情のようですね。
天守閣に上って四方を眺めてみましたが、ちょうど平野の真ん中辺りに建っているのでしょうか。全体的に市街地がまとまっているような印象を受けました。同じ70万人規模の政令市といっても、静岡のように東西に伸びたものとは違いますね。コンパクトシティーをやるならこっちの方ができそうです。
さて園内、まるで農村です。きれいな。ありそうな。このありそうな形に自然に仕上げる所に拘ったようです。見上げるというよりは、静かに足元を見つめながら散策する雰囲気。対象物の重心を下げてあります。
中心の池に沿って、遠くに目を遣りながら歩くデザインです。梅やタンチョウを愛でるのもいいですね。
ゆっくりと歩いていたら、途中で静岡の知人に声を掛けられました。こんなところで奇遇です。お互い良い旅ができますようにと祈り、後楽園を後にしました。