今日はJIA静岡地域会の役員会に顔を出した後、そのままJIA塾の研修会で建築家責任賠償保険lについて学びました。
専門職業人賠償保険のジャンルで、専門職の人間がその職業において一生懸命やったんだけど起きてしまった事故を救済するというのがこの保険。1963年に医師、1971年に建築家、公認会計士、1975年に司法書士、1976年に弁護士、1987年に税理士の各賠償保険が開発されました。
建築家賠償保険(建築家の設計等の業務)では、建物に障害・損壊があるかどうかが焦点ですが、最近ではプライバシーや個人情報保護についてもカバーされています。事故は建物引き渡しから5年以内にその80%が起きていますので、その時期にしっかり点検していくことが重要です。
いろいろな事故事例を聞き、とても参考になりました。
特に気を付けなければいけないなと思った判例は、
1)色
景観条例で指定範囲外の明るい色で塗っちゃって、市から是正勧告、塗り直し費用が発生した場合。
建物の滅失・損傷はないので・・・、対象外!
2)タイル
設計だけを行い、タイルが剥離してきた場合。
タイルの選定をしたからといって、実際に施工したわけではないので・・・、対象外!
建築家の設計責任はないということ。
※工事監理者(ちゃんと施工されているか確認する人)と一緒に訴えられたので裁判費用は出た。
3)地震
対象外。
と、あくまで建築家の立場に立って判断されます。
いろいろ起きても論理的に考えなければいけません。
だいたい年間40件程度の事故があり、漏水、構造、地盤が大半を占めているとのこと。近年は設備(空調容量や水勾配)の案件も増えているそうです。それを月一回保険事故審議会を建築家や弁護士らで開いて審議し、有責、無責を決定しているとのこと。
で、思ったのは、
やっぱりここぞという部分は慎重に慎重を重ねて設計・監理しなければいけないということ!!
あったりまえですが、これにつきる。クライアントを困らせてはいけないのだから。
ちゃんと目の前の事実を受け止め、現場を見る。
これにつきますね。