新国立競技場のデザイン案が決定されましたね。先日来どうも写真のピントが気になりますがそろそろ買い替えを検討しないといけないのかもしれません。話が逸れました。
A案(隈研吾氏)、B案(伊東豊雄氏)の対決となった今回の勝負。軍配はA案。無難といえば無難、妥当といえば妥当と、環境との調和を評価する意見とともに、果たして国民の記憶に残るのであろうかと物足りなさを指摘する意見もありました。
私自身、デザイン案が発表されてからあの建築家たちがこの案というのが不思議で、とりあえず結果が出るまで黙って見てようと思っていたのですが、配点表を見てあ~と納得。
もちろん、自然素材とテクノロジーの融合や、神宮の森につながる都市景観としての連続性はいいのですが、明らかになった配点表の構成が凄い。
業務の実施方針 20点
事業費の削減 30点
工期短縮 30点
維持管理抑制 10点
ユニバーサルデザインの計画 10点
日本らしさに配慮した計画 10点
環境計画 10点
構造計画 10点
建築計画 10点
以上、合計140点
え?建築計画がユニバーサルデザインと同じ配点?
ユニバーサルデザインは最早当たり前。創造に関わる根幹の配点がかくも低いとは・・・。
当然、両者共にある程度の雰囲気を掴んで戦っていたんでしょうが、工期短縮で逆転された事実を考えても、アーキテクトのコンペとは完全に色が違うんでしょうね。
う~ん。
工期とか、予算とか、もうここまで来た段階でプロなら当たり前にやるんだから、なんか、な~。
きちんと、ちゃんと、嫌われない建築、プロセス勝負って感じ。内部の臨場感や使い勝手に期待かな。
国立代々木競技場のような感覚はしょっぱなから排除されたんだろうけど。でもそう考えると現代の社会状況の中で隈さん流の「負ける建築」というロジックは成立しているのか、大きい版で。
先月のJIA東海大会で内藤廣さんや今回審査委員の涌井さんの話(違う内容)を聞いたばかりだからなんだか不思議な気分。もう少し情報が出てくるのを待って、自分なりに考えてみよう。