13歳のハローワーク2015

今日は13歳のハローワーク社会人アドバイザーとして高校生達の進路相談に乗ってきました。

今年で2年目。自分が高校生だった20年前は、大学の赤本や空想だけで進路を選んでいた気がするので、少しでも役にたてるのならと引き受けています。

 

今年は模型や図面・ポートフォリオも昨年より持って行ってあげたせいか、よく生徒が集まり5時間喋りっぱなしでした(打ち上げのビールは最高でした(笑))

 

生徒の傾向については、学校の授業の一環で仕事を調べましょうとただ決まりきった質問をしてくる子もいれば、自分の問題として本心で悩んでいる子がいたり千差万別。だんだん向き合っていければいいと私は思います。

 

何組も何人もの生徒達と話しながら気づいたのですが、この仕事で一番大切な能力は何ですかと聞かれ、才能とかの前にコミュニケーション能力が大切と答えている自分がいました。

 

カタログから選んだり、プレハブのキットを使うものならまだしも、私のように一品生産でどこにもないものをつくろうとする場合、クライアントも建築家もその時点で地上に存在していない未知のものに向き合い取り組むことになります。

 

最後までプロジェクトをやり切るまでには色々な局面やドラマがあるので、お互いを信頼し合い感性を共有できていないと、とてもじゃないけどやれたものではありません。

 

少しでも同じ目線に近づいて立てるように、専門家としてコミュニケーションに最大限配慮しないといけない。分からなければ立ち止まってじっくりすり合わせに時間をかければいい。

 

絶対いけないのが、「めんどくさい」「何も言われなかったから」という戯言。

姿勢は情熱の高さに比例します。

 

図面や模型、パースなど、見えるものをただ出しただけではもちろん駄目で、それに至った背景やデザインコンセプトを丁寧に言葉で伝えていく必要がある。クライアントはそれを期待している。お客さんが遊びに来た時に、自分の口から説明できるセリフが欲しいと。

 

高校生の頃から美術や文学に触れて審美眼や教養を深めたり、まち歩きをしてみたり、いい仕事をして喜んで貰う自分をイメージしたり、部活のバスケやバレーで出すパスの高さに寸法を入れて建築空間に置き換えてみたり、意識すれば出来る事はたくさんあるので是非頑張ってみてほしいと思います。

 

それと、1000円前後の製図用のシャーペンを一本手に入れて使ってみると現実感が湧くかもしれません。大きなことは太い線、小さなことは細い線。基本は手から生まれます。

 

いつか自分だけの道を歩かないと行けない時が来る。

期待しています。