今日は日本建築家協会JIA静岡で現場見学会。草薙総合運動場体育館です。構造ができ、これから板金で覆われていくところでした。
鹿島の現場所長さんから守秘義務についてお願いされましたので、あくまで外観から皆が目にできるとこだけ、出版を含め既に世の中に公開されている情報だけアップします(笑)
この建物は延床面積は13,500㎡で、地上部分がコンクリート造、下屋根は木造と鉄骨造、上屋根は鉄骨造という混構造の免震建物です。
設計は建築家の内藤廣氏。2011年の東日本大震災の頃に行われたプロポーザルで設計者となりました。
右の模型写真、ちょっと登呂遺跡を彷彿させますね。
できてからの偶然らしいのですが、もともとはプロポにあたりお正月にこたつで考えていて、ヤクルトの蓋から着想を得たスケッチが始まりだったとか・・・。
それから現在に至るまでそのフォルムがそのまま実現してるんだからすごいと所長さんは唸ってました。
静岡県は構造設計泣かせの県で(笑)、耐震設計に求められる地域係数が1.2と全国最高。
そのうえ公共体育館として重要度係数1.25が掛けられるので、全国の通常の建物の1.5倍の耐震強度が求められます。
なので構造設計では相当の苦労があり、最終的には木造部が載る楕円状リングのRC造とその下のRC造とを切り離す中間免震で解けたそうです。
木造も、決して無理はさせずに鉛直力だけを負担させ、大スパンで鉄を使うべきところは合理的に鉄を使っていました。256本の天竜杉集成材が頑張って上屋根を受けてくれています。
これからアリーナの天井は木造ルーバーで覆われ、壁の集成材と共に全てを木で包んだ空間になるようです。
来年春の完成を楽しみに待ちましょう!