静岡駅北口に向かって御幸通りから車を走らせて行くと、タクシー乗り場の奥に小さな建物が見えてきます。
今日も外出した際つい横目で追ってしまいましたが、初夏の日差しをガラスのスクリーンがいっぱいに受けている様子を見ると、色々なことを思い出します。
静岡駅前交番。
以前、私が設計した建物です。
プロジェクトに着手したのは6年前のこの季節。
当時このエリア一帯で行われていた駅まち再開発事業と歩調を合わせるため、関係各所と様々な打ち合わせを繰り返す一方で、駅前広場に建つ交番としてどんな建物がよいのか、在り方を探るべく東京の桜田門や六本木、恵比寿の交番を見てまわったりもしました。
そして、交番機能の中で市民に接する部分とシェルターとしての役割の部分をスクリーンとキューブに形態として分け、周囲に明るく開かれながらも後ろでしっかりと支える警察のイメージを作り出すことを提案しました。市民に親しまれる、開かれた交番です。
諸事情もあり、工事完成はそのまた2年後のこの季節でしたが、関係者の努力のおかげでなんとか無事オープンに辿り着いた時には感慨深いものがありました。
季節が巡るごとに、ゆっくりと着実に、地域に根づいていって欲しいと思います。